からだをむしばむ歯周病
“歯周病はこわい病気です”
心臓に悪さをする歯周病細菌
歯周病細菌が血液に入り、動脈硬化や心筋梗塞を発症させます。
- 歯周病細菌が歯肉の毛細血管を通って血流に入ります。
- それが冠動脈の血管内壁にくっついて、心臓の冠状血管病(CVD)の原因となるアテロームプラークという物質の形成にかかわります。
- アテロームプラークの影響で血管が細くなり、アテローム性動脈硬化症(粥状硬化症)を発症または進行させます。
- 血管壁に蓄積されたアテロームプラークが破れて剥がれると、小血管が詰まり、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。
歯周病細菌が肺に入る
高齢者は気管が狭いため、食べ物を飲み込む際に気管に入りやすく歯周病細菌も一緒に肺に入る為、肺炎を誘発します。
- たまったプラークが唾液中に入って、その唾液が気管に入ってしまいます。
- 唾液中のプラークに存在するポリフィロモナス・ジンジヴァリスやチノバチラス・アクチノミセテムコミタンスによって気管支が感染します。
- 歯周病に関係する唾液中の酵素で、気管支粘膜の表面が変化を起こし、呼吸器疾患の原因となるのを促進して、肺へと入っていきます。
- サイトカインが歯肉溝から唾液に移り、気管に入った後、気管上皮を変化させ、感染を促進させます。
早産や低体重児出産の危険も
歯周病細菌が血液中に入ると、子宮を収縮させ、胎盤の収縮時期が早まり陣痛を促進し、早産、低体重の危険が高まります。
- 歯周ポケット内の炎症巣で、プラークの中の微生物が放出するLPSという物質がマクロファージを活性化。
- ケミカルメディエーターのプロスタグランジンや炎症性サイトカインであるIL1-β、TNF-αなどが過剰に産生され、血清中に移行し、全身に運ばれます。
- LPSやサイトカインが肝臓に達すると、CRP(C反応性タンパク)が産出されます。
- 胎盤の収縮時期が早まり、陣痛を促進させます。